あきらめられない出来事
先日、5月から大阪で暮らしている娘から電話が入った。完全なるホームシックらしい。
「おとうさん・・・みんな元気でやってるの?3日位仕事が休みだから釧路に帰りたい・・・」と泣きそうな娘。
私は男親なので可愛い娘が淋しがっているのであれば・・・と早速家内に交通費を出してやるよう相談した
が、そこはやはり母親「自分で決めて大阪に行ったのに、わずか5ヶ月位で2~3日帰省したいからといって援助
したら本人のためにも良く無いのでは・・・」
確かに。全くその通りである。私は心を鬼にして、さも自分が考えたのごとく母親が言った言葉をそのまま伝えた。 娘も理解していたようで「そうだよね!! 本当だよね・・・頑張って働いて、お金貯めて帰るね。」と電話を切った。
次の日、私は初めて娘に手紙を書いてみた。娘が生まれてから独り立ちするまでの様々な出来事や思いを込め
て。手紙を書きながら昔のことを色々思い出し、考えていると胸が・・目頭が熱くなった。
手紙の最後に「ほんの少しだけど飛行機代の足しにしな。あとは自分で頑張って」と付け加え、ほんの少しのへそくりを入れワクワクしながら投函した。
しかし、4日経っても1週間経っても娘からサプライズが届いた連絡が来ない。
10日目に娘に連絡をしてみた。すると、毎日ポストを見てるけど手紙は届いて無いとの事。おかしい・・・・
釧路郵便局の本局に連絡したところ、大阪の娘の地域の集荷、配達担当部署を教えてくれた。
早速電話したところ、凄くご丁寧に対応してくれたが、確認の仕様が無いとの事だった。
しかし、担当の方の話の内容が非常に気になって仕方ない。
内容はこうだ。
「白封筒で出しましたか?親子なら宛名の名字と送り側の名字が一緒ですよね?」
「そうです」と私・・・
「それなら親子か身内だとわかりますねぇ~それにパソコンじゃなく直筆ですしねぇ~今度から書留か何かで送ってください。」
との返答だった。
すぐにピンときた。親から子へ送られたとすぐわかるものは、中に現金など入っていることが多いのだと・・・
天下の郵便局なのにこんなことが・・・だったら普通郵便を廃止したらいい!!
怒りが収まらなかったが・・・・・
静かな口調で私は言った
「泣き寝入りするしかないのですね。お金では買えないものが入っていたんですが・・・」
すると局員さんが
「私も使われている身ですが、痛いほど気持ちが判ります。しかし上の者の考えは、ならば投函した証拠があるのか?・・・そんな考えなんです。本当にすみません。」
と本当に申し訳なさそうに謝っていた。
確かに証拠は無い。返す言葉も無い・・・
あれから1ヶ月が経った今でも、娘から「何処かに間違って配達されてて、これから来るかもと思い毎日ポストみてるよ。お父さんから貰う初めての手紙だし・・・」
未だにお金を一緒に入れたことは内緒にしてます。